Feb 19, 2005
「異邦の騎士(改訂完全版)」(島田荘司)
推理小説作家さんは、自分の作品の中に「探偵役」ってのを何人か用意してはります。本職が探偵の場合もあれば警察官の場合もあるし、ま、大概その「探偵役」さんがシリーズを持ってて、事件を解決するってな形が多いのであります。で、島田荘司です。「吉敷警部」ものもありますが、やっぱしここはデビュー作から登場の「御手洗潔(みたらいきよし)」もので順序良く書こうかと思います。
「『御手洗潔』ものとは何ぞや?」と言われる方に説明しますと、御手洗潔が探偵で石岡和己がその事件を小説にしている、ってな「ホームズとワトソン」関係のものでする。なので「御手洗潔」ものは全部、石岡君が執筆してるって設定になってるのですね。「この間御手洗が解決した事件をここに書くことにする」みたいな書き方をしておるのであります。
で、島田荘司のデビュー作「占星術殺人事件」(トリックが斬新やったため「金田一少年」始め、いろんなとこでパクられております)が「御手洗潔」ものやったので、その後も何作か「御手洗潔」ものが作られまして。デビューから7年経ってから出たのが「異邦の騎士」であります。
「異邦の騎士」がちょっと他の「御手洗潔」ものと違うのは、これはまだ御手洗と石岡くんがコンビを組む前の話であり、また出会いの話であるちうことです。「外伝」みたいなもんですなー。
実際出た順に読んでたワタクシは、御手洗もののお約束をちょっとうっとうしくなっておりまして。なぜならそのお約束ってのは、「まず事件の依頼がくる」→「石岡君が一生懸命何とかしよーとする」→「御手洗はやる気なさげに、何か全然関係ないことしてる」→「石岡君おこる」→「御手洗が石岡君をバカにする」→「御手洗が解決する」→「石岡君は『御手洗すごいなー』と感心し『自分はわかってなかった』と反省する」って感じなのですよ(この辺もホームズものっぽい)。
で、これらが石岡視点で書かれるので、読んでるワタクシとしては一緒に振り回されてるわけで。「なんでそこまで言われて、石岡くんはいつまでも一緒におるねーん」ってのが、ちまちまっと残るわけであります。ちょっとだけね。ただ御手洗は石岡くん以外には礼儀正しいので、その当たりでほろっとくる話も多いのが曲者なのですなー。
そんなモヤモヤ気分を一発で吹き飛ばしたのが「異邦の騎士」であります。もう、これ読んだ後でそれまでの「変な関係」と思ってた設定がクリアされました。ちうわけで、全然内容にふれてないのでありますが、これは「御手洗もの」を語る上では、絶対外せない本なのであります。
「異邦の騎士」は出版されたのは遅かったけど、島田荘司が初めて書いた小説でほっといたものの、書き下ろしを出さないと行けなくなって、急遽引っ張りだして修正して出したものやそうです。「改訂完全版」ってなってるのは「後から読み直したものの、あまりにも未熟なとこがある」ちうことで加筆修正が改めてされたもの、ちう意味です。なのでそれだけ思い入れもあるんやろなー。内容はいろんな意味で若いです。
とりあえず、「御手洗潔」ものを何冊か読んだら「異邦の騎士」を押さえておくのがお薦めっす。「占星術殺人事件」「御手洗潔の挨拶」「御手洗潔のダンス」あたり行っといたら大体つかめるかも。でも島田荘司ちょっとクセあるからなー。受け付けない人もいるかもねん。初めての人は長編にいきなり行かんと、短編集で試して見たほうがよいかな。うーん、でも「占星術・・・」はいっとくべきやろなー。
・・・ なんか、全然感想じゃないなー。とりあえず再読なのでネタがわかってるものの、ちょっとうるっときちゃいましたわ。
ドラゴンは寝ている 島田荘司 『龍臥亭事件』
異邦の騎士 改訂完全版島田 荘司 by G-Tools
島田荘司。
ネタバレアリ。
記憶喪失の男の記憶を辿っていくうちに、事件の全貌が明らか...
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